ビッチという言葉を使用するシチュエーションと意味について

  

ここ数年で使用される機会が急に増えたといえる言葉「ビッチ」。なんとなく大体こういう意味だろうというイメージはあっても、本当の意味を知らない人も多いでしょう。ここではビッチという言葉に注目し、英語圏・日本での使用の仕方を比較してみていきます。

女性に使うビッチの意味

性欲が強い淫らなイメージ

その日初めて会った人や、恋人がいたり家庭を持っている人など誰彼構わず誘惑し、気を引かせようとする女性や不特定多数の男性と性的関係を持つ性的欲求の強い女性。彼女達は甘え上手の駆け引き上手、おまけに隙があるように見せるのがうまいです。

男性からすれば「簡単に関係を持てそう」という理由から、近付いてしまうのでしょう。容姿を見ると絶世の美女という訳でもないのに、男性が放っておかないために自分はモテると勘違いして、その自信から彼女達は積極的になれるのです。

残念ながら同性からは嫌われる傾向にあり、女性の輪の中に入れず居場所がなくなるため、寄ってくる男性に体を許してしまうのです。男性からも女性からも下半身事情がだらしない尻軽女だと思われている女性のことをビッチと呼ぶ傾向があります。

エッチが好きすぎてうえている

ビッチと呼ばれている人は性的に奔放なため、はしたなく品がないというイメージを持たれています。しかし、その奔放な行動の根底にはいくつかの理由が隠れているのです。ひとつは自暴自棄になっていることが挙げられます。心の隙間を埋めるため、愛情がないとわかっていても自分を求めてくれる人に体を許してしまいます。一時的にセックスをして心の安定をはかっているのです。

次に惚れやすいということ。容姿が気に入ったり、相手に少しでも優しくされると、それだけで相手のことがもっと知りたくなり、もっと深い関係を望んでしまうのです。そして、性格がだらしないといえます。日常生活もだらしない点が多く、異性関係にしても「まあ、いいか」と深く考えず本能的に生きているタイプ。周囲の人に経験が豊富なことを自慢気に話す人もいます。

単純にセックスが好きで欲求に忠実な人もいますが、ビッチと呼ばれる女性が男性と関係を持ってしまうのは、その多くが何かしらの理由で心にできた隙間を埋めるための行動だといえるでしょう。

男性ウケが悪い不清純な女性

清楚な乙女は男性にとって理想像ともいえる姿ですが、一見清楚に見える女性も、少しでも粗が見えた途端に男性から「ビッチ」といわれてしまう可能性もあります。そんな「ビッチ」と呼ばれてしまう条件は一体どんなものなのでしょう。

まず、話題が異性のことばかりの女性。「頭の中が男のことでいっぱいなんだな。」と思われてしまいます。人によっては、少し男性の話をしただけで「男好きなんだ。」と思ってしまう人もいますので、男性の前では極力異性の話は控えたほうがよいでしょう。

次に化粧が濃すぎる女性。女性としてはきちんとメイクをして少しでも可愛く見られたいという気持ちから、ついついばっちりメイクをしてしまうことも。しかし、目元に気合いが入りすぎていると、「派手で下品」「目が真っ黒。目の上に黒いのがたくさんのってる。」なんて思われてしまうことも。アイメイクは控えめがちょうどよいといえます。

そして合コンに行きまくっている女性。見た目が清楚で大人しめな雰囲気でも、一気に印象が悪くなってしまいます。そんな合コンくらいで…と思うかもしれませんが、清楚イメージはすぐに崩壊しまうので、合コンの話も男性の前ではしないほうがよいでしょう。

品行の悪い女性

ビッチとは日本では主にギャルを意味する言葉として使われているようです。清純さのカケラもない女性、恥を知らない馬鹿な女という意味などでも使われています。また、食事の仕方が汚かったり、マナーがなっていない、仕草が下品など常識から外れている人もビッチと呼ばれる傾向があります。

日本では日常会話ではあまり聞かない印象があり、ネット用語というイメージが強いといえるでしょう。よい意味の言葉ではないため、「君、ビッチだね」とか「私ってビッチだから」とフランクに使う機会はあまりないといえます。

自分は気づかないところでビッチ呼ばわりされているかも、と考えただけで落ち込んでしまいそうになりますが、普段意識していない自覚がある人は、日頃の所作に意識を向けてみるのもよいかもしれません。

 

現代でのビッチの意味

現代でのビッチの意味

態度が悪い女

周りから見ていて目に余る奔放さからビッチと呼ばれる人もいますが、なんとなく嫌な印象を受けたりちょっとした粗が見えたり、勝手に作り上げられたイメージと違うことをすると「あいつはビッチだ」といわれてしまったり…。このように、ビッチという言葉は、使う側が基準になっていることも多いといえます。定義がなく曖昧で、悪い意味で使われる言葉だということはほぼ間違いないでしょう。

実は英語圏と日本ではビッチのニュアンスに違いがあり、英語圏では性的なことはほぼ無関係で、単純に嫌な女という意味で使われることが多いようです。どちらにもいえることは、使い手によって様々な意味合いを持つということでしょう。

性格が悪い腹黒い女

性格が悪い腹黒い女性の特徴をいくつかあげてみると、陰口をいう、異性と同性の前では性格が豹変する、自分に得になる人しか友達にならない、表明上そうは見えないけれど実は言葉巧みに人を操っている…などなど。その他にもきりがないくらいたくさんのことが当てはまります。

男性に奢ってもらったり貢いでもらうのが当然だと思っていたり、男性をアシに使ったりする女性もいます。「私にかかれば男なんてイチコロ」といったところでしょうか。しかし、腹黒い人に限って世渡り上手な人も多く、そういったことも周囲の反感をしまう原因だといえます。

他人をランク付けして、自分の都合のいいように動く駒のように思っているのかもしれません。恐ろしいようですが、実際そういう人は男女問わず必ずいます。できれば関わりたくないですが、あなたも既に腹黒い人の手のひらの上にいるかもしれません。

同性に嫌われるムカつく女

異性と同性の前で態度が違う人というのは、やはり嫌われる要素の一つだといえます。その人のことを信用しようとしても、いつまで経っても人によってころころ態度を変える人のことはなかなか信用できないといえるでしょう。

また、大声でわざと他人を陥れるようなことをいったり、FacebookやTwitterなどで自分だけが可愛く写っている写真を載せる人、自分さえよければいいと思っている人も同性から嫌われている可能性が高いといえます。

明らかに自分のほうがかわいいのに、合コンなどで「〇〇ちゃんて超かわいいよね〜」という女性もなんだか嫌味な感じがします。同性に相手にされなくなり、陰で「ビッチ」と呼ばれていることでしょう。

 

英語でのビッチの意味

英語でのビッチの意味

イヌ科の動物の雌犬のこと

11世紀頃雌犬という意味で使用され、14〜15世紀頃から、複数の男性と肉体関係を持つ女性、金銭目的で男性と寝る女性といった意味で使われていました。しかし、今は品行の悪い女、いじわるな女、卑しい女、あるいはとてもいやなことなどのことを指し、性的な意味で使用することはほとんどありません。

洋画などで「You bitch!」「You fucking bitch!」といっているのを耳にします。英語スラングでは、尻軽な女性やすぐ関係を持てる淫らな女性のことを「Slut (スラット)」といいます。これは本当に侮辱的な意味で、気軽に使うべきではない言葉です。

アメリカでは嫌味な女

嫌な感じの態度を取る女性に対して「ビッチ」というなど、必ずしも性的に奔放な女性という意味ではないけれど、性格の悪い女性という意味で使われることは英語圏でも頻繁にあります。

むしろ尻軽な女性を指した意味で使われることは少ないといえます。状況によって複数の意味合いを持つ言葉ですが、マイナスな意味で用いられることがほとんどなようです。女性同士での会話の中でも軽いノリで「ビッチ」という言葉が飛び交っています。

有名なアーティストが自分自身で未来を切り開いていく強い女性、たくましい女性のことを、ポジティブなイメージで「ビッチ」と呼んでいます。しっかりと自分自身を持っている女性は、時として他人と意見が衝突したり、反感を買ってしまう場面も多くあるでしょう。陰でたくさん悪口をいわれ、意地悪をされることも。しかしそういったマイナスな出来事に屈しない女性のことを「ビッチ」というのであれば、むしろかっこいい言葉に聞こえ、一概に悪い言葉だといえないのかもしれません。

「私は私のビッチ」これは直訳すると「私は私のもの」つまり「私は私のために生きている」という意味になります。潔くて粋な言葉です。もしビッチといわれたら、「私は私のビッチだから」と返してみましょう。

 

外国でのビッチの使い方

外国でのビッチの使い方

友達と別れ際に使用

英語圏では、ビッチという言葉が気軽に若者の間で使われています。例えば、別れの際には「バーイ、ビッチ」というのが挨拶だそうです。親しい間柄で使うちょっとした憎まれ口のようなニュアンスでしょうか。日本人が使うビッチとは意味合いが異なるようです。日本で同じシチュエーションで使うと、空気が固まってしまいそう。

悪口のような言葉もその言語の文化の1つなので、知っていて損はしないでしょう。ビッチという言葉は、学校では教えられることはありませんが、ネイティブの人と会話のために覚えておくとよいでしょう。あまりよい言葉ではないので、実際に使用するかどうかはあなた次第。

ムカつくという意味で使用

嫌な態度を取られた場合、「あいつビッチ!」という軽いノリで使われています。うるさい女性、いやな女性のことを指します。日本で悪口をいうとき、「ムカつく」ということがありますが、それを外国ではビッチと表現するようです。

また、最近ではビッチを罵倒語として使用しないパターンが若者の中で増えているようです。その場合「ガールフレンド」「女友達」という意味で使用されています。日本で使用するほど悪い意味ではないですが、どちらにしてもよい言葉ではないので使用する際は注意が必要です。

男性同士の間でも使用される

男性に対する罵倒語として「son of a bitch(サノバビッチ)」があります。映画でもよく耳にする言葉です。ケンカ腰で向かっていく強い言葉で、単純に頭にきたときに使ったり、なよなよして弱い男性、女々しい男性に対して使います。

また、ヒップホップの世界などではビッチが変化した「biatch(ビアッチ)」という表現も。ビッチより言葉の響きが若干弱くいいやすく、親近感を込めた仲間内での呼びかけとして用いられています。

例えば「What’s up?biatch.(よう、ビアッチ)」「Let’s play basketball,biatch.(バスケやろうぜ、ビアッチ」というような使われ方をしています。日本のように性的にだらしない女性に対して使うビッチとは、だいぶ意味が違うといえますね。

 

ビッチの使い方

ビッチの使い方

女性の服装がビッチである

スカートやショートパンツの丈が短くて露出が多すぎていかにもギャル風の服装は、男性を誘っているように見えてしまいます。女性からすると、ミニは可愛いから履いてるだけ、別に男目線を意識しているつもりはない、という意見もあるでしょう。

しかし、男性の目線を集めるために露出している人がいるのも確か。女性同士で「ビッチ系の服買っちゃった」というのはギャルっぽい服を買ったという意味。ギャル=ビッチという意味合いで使われることも多くあります。もし自分がビッチ認定されたくないのであれば、太ももが見えないくらいのスカートや、胸元が見えすぎない服をチョイスするのがおすすめです。

前とは違ってビッチ化してしまった

以前と比べると性格が悪くなった、態度が悪くなったという意味で、「ビッチ化した」と表現することがあります。また、単に見た目のイメージと実際の印象が違ったことから「俺の中で彼女はビッチ化した」という使い方をすることもあるでしょう。

他の男性に対して奔放なのは許せないけれど、ベッドの上で自分だけに見せる奔放さが大好きだという男性は少なくありません。男性は見た目は清純派、ベッドではビッチな女性というのは必ずしも悪い意味ではないでしょう。多くの男性はそんな女性が大好きだからです。

また物を対象として、容易に手に入る、価値が下がるなどを表す言葉としてビッチを用いる人もいるようです。ビッチという言葉を人対象から物対象として使うのは、英語圏の使いかたに近づいているのかもしれません。

あの子はビッチらしい

日本ではビッチを男性に対して使うことはまずないでしょう。あの子は尻軽な女のようだとか、見た目と中身が違う女性のことを悪くいうときにもビッチを使っています。こそこそと陰口をいうときに使用されるイメージです。

また「メンヘラビッチ」という言葉もときどき使われていますが、侮辱的できれいな言葉ではないので使用するのは控えたほうがよいでしょう。

ビッチでドン引き

ビッチ認定されてしまう原因のひとつに、セックスの経験人数が挙げられれます。付き合った人数よりも経験人数が多かったり、付き合った人数が多くても「誰とでも体の関係を持ってしまう股が緩い女性」=ビッチ認定されてしまうのです。

自分が初めての相手でありたいと思う男性は少なくないようです。特に清楚に対する期待は大きいので、経験人数は隠したほうが無難でしょう。人数に関係なく、具体的な数字を聞いてしまうと、男性でも女性でもドン引きしてしまう可能性があるからです。

 

ビッチを使う際の注意

ビッチを使う際の注意

むやみに使わない

洋画や洋楽などで、イケイケな女性に対して使われることが多いので、そのような女性を指す言葉だと誤解している人も多いようですが、日本と英語圏ではビッチの意味合いは少し違います。現代の英語圏で使われる本当の意味は私たちのイメージよりも軽い意味合いなので、日本でももっと気軽に使えるようになる日がくるかもしれません。

しかし、日本では今のところは単に女性を罵倒する言葉なので、陰口のように思われる可能性が高いといえます。むやみやたらにビッチを多用すると、使用している人の品位が疑われることにもなり兼ねません。

本人の前では口にしない

「私ってビッチだから」と自らいってしまう人もいますが、日本で使用するビッチという言葉は、女性のプライドを著しく傷つける言葉の一つだといえます。自分で言う人に対しても同意は厳禁、「そんなことないよ」と返すのが妥当でしょう。

親しい女友達や彼女に対して軽い気持ちでビッチといったりする人がいるかもしれませんが、目の前でビッチといわれると、逆上したり、ショックを受けたりする人がほとんどでしょう。あくまで本人のいないところで使用する言葉という認識を持っておくほうがよさそうです。

 

ビッチの言葉は場をわきまえて使おう

ビッチの言葉は場をわきまえて使おう

少し前まではビッチという言葉は英語に詳しくなければ知らない言葉でしたが、インターネットから広まり、最近ではあちこちで聞く言葉の一つといえるでしょう。今でもインターネットで皮肉をいうときに使用されることも多いですが、未成年者も気軽に発言しているのを耳にすることもあります。

様々な利用シーン、発言者の使いかたによって意味合いが異なる言葉なうえに、英語圏と日本での使い方に違いがあるので、状況に応じた解釈が必要でしょう。面白がって使う人もいますが、あまり使わないほうが無難な言葉だといえます。