実はセックスの痛みに悩んでいる人が多いということをご存知ですか。セックスで痛みを感じてしまうと、大好きな彼とのセックスであっても心から楽しむことができずとても悲しい気持ちになってしまいます。
彼にも「セックスが痛い。」とはなかなか言いづらく、独りでこの悩みを抱え込んでしまっている人もいるのではないでしょうか。
セックスの痛みをただ我慢して過ごすのではなく、原因をきちんと知ることがとても大切です。
今回は、セックスで痛いと感じてしまう様々な理由についてご紹介していきます。
自分の痛みの原因がわかれば、その痛みを解消してセックスをよりよく楽しむことにつながっていくでしょう。
セックスをより心地よく楽しむために、ぜひ参考にしてみてください。
主な性交痛の症状2パターン|それぞれの原因
セックスでの痛みは、痛む部位によって症状を2パターンに分けることができます。
「挿入時に膣の入り口が痛い場合」と「膣奥・下腹部が痛い場合」では、痛みの原因が異なります。
まずはそれぞれのケースに分けて痛みの原因をご説明していきます。
パターン1:挿入時膣の入り口が痛い場合
まずは挿入時に膣の入り口が痛い場合に考えられる原因からご説明します。
挿入時に膣の入り口が痛い場合は、以下の6つの原因が挙げられます。
原因①炎症・感染症(性病)
外陰部や膣、膣の両側にある分泌腺、または尿道が炎症を起こしていると、セックス時に痛いと感じることがあります。
炎症が起きる多くの原因は性病であり、膣の入り口が痛む場合に考えられる性病には尖圭コンジローマや性器ヘルペスが挙げられます。
尖圭コンジローマとは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することによって引き起こされる性病です。
発症すると小陰唇の内側にブツブツとしたイボができてしまいます。
また性器ヘルペスに感染している場合は、口内炎に似たただれが外陰部に現れます。
これらの性病に感染している場合は、セックス時にとても激しい痛みを感じます。
性病に当てはまる異常がないか、小陰唇や外陰部をチェックしてみましょう。症状を見つけた場合はすぐにかかりつけの産婦人科に相談してください。
原因②女性ホルモン
セックス時に痛いと感じる原因の多くが女性ホルモンによるものだとされています。
女性ホルモンの一つにエストロゲンと呼ばれるものがあります。エストロゲンの分泌が低下すると、膣や外陰部の粘膜が萎縮したり、膣粘膜が薄くなってしまう菲薄化(ひはくか)を起こし、セックス時に痛みを感じるのです。
エストロゲンの分泌が低下することを低下エストロゲン状態と呼び、低エストロゲン状態では膣分泌液も減少してしまうため、乾燥による痛みを感じる場合もあります。
閉経後や更年期、産後の産褥期や授乳中などホルモンバランスが大きく変化する時期に、低エストロゲン状態が引き起こされることが多いと言えます。
この場合の対処法としてはセックス時に潤滑ゼリーを使用したり、女性ホルモン剤を病院で処方してもらうと症状が緩和します。
しかし産褥期や授乳中はホルモン剤の投与ができませんので注意が必要です。
原因③生まれつきの体質
生まれつき膣や処女膜が狭かったり、恥骨や骨盤のズレもしくは子宮奇形などの先天的な異常により痛みを感じる場合もあります。
処女膜が狭いことにより痛みを感じている場合は、処女膜の切開手術を受けることで痛みを緩和することができます。
また、膣のつき方によって痛みを感じている場合もあります。膣のつき方は人それぞれ異なりますので、女性器と男性器の組み合わせによってベストな角度や体位が異なるのです。
このように男性器と女性器の相性の問題で痛みを感じているのであれば、腰の下にクッションを敷いてみるなどの方法で挿入角度を変えてみましょう。わずかな違いが痛みを快感に変えてくれる可能性があります。
原因④ラテックスアレルギー
望まない妊娠を避けるために、セックス時にコンドームを使用するのはとても大切なことです。しかし、このコンドームにアレルギー反応を起こして痛みを感じている場合があります。
コンドームの原材料である天然ゴムに対するアレルギー反応をラテックスアレルギーと言います。ラテックスアレルギーの場合は、原材料にポリウレタンを使用したコンドームも発売されていますので、試してみてはいかがでしょうか。
原因⑤濡れていない
前戯が足りないと、潤滑が十分でなく痛みを感じることもあります。ですから彼に前戯をもう少しお願いして潤滑を十分にすれば、解決につながる可能性があります。
前戯に時間をかけても濡れないという場合はホルモンバランスや投薬が原因となっていることが考えられます。この場合は病院で相談するのが良いでしょう。
日によって濡れ方が異なり、時々痛みを伴うという場合は血行が悪いことが原因となっていることがあります。
血行を促すためにストレッチを心がけてみてください。濡れないことで焦りを感じてしまうとより濡れなくなってしまいますので、焦らず自然体でセックスを楽しむようにすることも大切と言えるでしょう。
リラックスするとともに、潤滑ゼリーを取り入れてみるのもおすすめです。
原因⑥精神的苦痛を感じている場合
レイプなどによるセックスへの恐怖感や、セックスパートナーに対するマイナス感情がある場合、もしくは望まない妊娠への恐怖を感じているなど精神的な苦痛によりセックス時に痛みを感じる場合があります。
セックスについて引きずっている問題があったり、パートナーに控えてほしい行動がある場合はきちんと伝えることも大切です。「彼に嫌われたくない…」と考えて伝えるのをためらってしまい痛みを耐え続けるのではなく、彼にも協力してもらって痛みを緩和していく方法を模索していくべきなのです。
パターン2:膣奥・下腹部に痛みを感じる場合
次は、膣奥や下腹部が痛い場合に考えられる理由についてご説明します。
原因①炎症・感染症(性病)
「子宮を突き上げられる時に痛い」または「奥まで突かれると痛い」という場合は、子宮筋腫や子宮内膜症の恐れがあります。
これらの病気を抱えている場合は、セックス時だけでなく、重度の生理痛や腹痛、腰痛を感じることが多く、子宮内膜症の場合は生理前や排卵日にはセックス時の痛みが悪化するという特徴があります。
またクラミジアや淋病といった性病にかかっている場合も、膣奥や下腹部に痛みを感じます。このような性病に感染すると、子宮や卵管にまで炎症が広がってしまい、子宮頸管炎などを引き起こします。その結果セックス時の強い痛みへとつながってしまうのです。
これらの病気を放置してしまうと不妊症の原因となる場合がありますので、早めに病院に相談することが大切です。
セックスに対する恐怖感などの精神的なものが原因になることも
セックス時に感じる痛みの原因となる病気がある場合は、きちんとした治療を受けることで痛みを無くすことができます。
しかし検査をしても原因が見つからない時があります。この場合はセックスに対する恐怖感など心因性の原因を抱えていることが多いのです。
セックスカウンセリングで話を聞いてもらうのもアリ
心因性によるセックス時の痛みの原因は多岐にわたります。
過保護や過干渉な保護者の元で「セックスは汚らしいものだ」という刷り込みをされて育った場合など、大人になっても「セックスは悪である」という考えから脱却できずにそれが痛みへとつながってしまうこともあります。
または過去の恋愛において望まないセックスを強要された経験などがトラウマになっているために、セックスへの嫌悪感が痛みとなって現れるというケースもあるでしょう。
これらはほんのごく一部のケースと言えます。心因性の原因を乗り越えるためには、セックスカウンセリングを受けるのも良い解決方法です。日本ではカウンセリングという文化があまり定着していませんので、カウンセリング自体に不安を感じてしまう人もいるかもしれません。
しかしカウンセリングを受けることで、自分が気づいていなかったストレスや自分自身の疲れに気づき、治療をスムーズに進めることにもつながるのです。
濡れてるのに痛い!その原因は膣内の傷?
潤滑が十分であれば、セックス時の痛みは通常の場合それほど感じないはずです。濡れているのにもかかわらず痛いと感じるのであれば、それは膣内の傷が原因となっている可能性があります。
セックスや自慰行為、または生理用品の付け外しなどにより、膣内や膣の入り口に傷を負ってしまうことがあります。
膣内内膜には神経があまりないため、傷を負っていることに気づきにくく、その傷がセックス時の痛みにつながってしまうのです。
指を挿入する愛撫の際は、爪で内膜を傷つけることがありますので注意が必要です。
対処法
膣内に傷ができている場合は、パートナーの愛撫の方法を見直す必要があります。指を挿入して強く奥を突くような愛撫では、内膜を傷つけてしまう可能性が高いのです。
パートナーに爪をきちんと切ってもらったり、優しく愛撫するように心がけてもらうことが大切です。
子宮内膜症になっている場合も、濡れているのにもかかわらずセックス時に痛いと感じてしまいます。
セックス時だけでなく排便排尿にも痛みが伴う、生理痛がひどいなどの症状がある場合はすぐに病院に相談しましょう。
初体験が痛い理由|処女膜って?
初体験の時は「処女膜が破れるから痛い。」という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし実際にセックスを体験した人に聞くと、「痛かった」という人もいますし「痛みはなかった」という人もいます。
このような曖昧な情報では、初セックスの痛みが心配な未経験者をさらに不安にさせてしまうでしょう。
初セックスの痛みの正体をきちんと知ることで、その不安を取り除くことができるはずです。
次は、そもそも処女膜とは何なのか、また初セックスの痛みの正体とその緩和方法についてご紹介していきます。
実は処女膜の破れによる痛みはほぼない
処女膜とは、膣の入り口付近にあるヒダ状の粘膜のことを指します。
処女膜の形態は人によって異なり、子供時代に何らかの拍子に出血を伴わずに損傷してしまう場合もありますし、かなり稀なケースではありますが、医師の処置をしなければ破ることができないほどに厚い処女膜を持っている人もいます。
処女膜が初セックスで出血を伴って損傷する場合、「出血」は痛いというイメージがあるため、「初セックスは痛みがある」という認識につながってしまっているのです。
しかし実際には初セックス前に処女膜が損傷している人も多く、出血を伴わない場合もあるため、「初セックスの痛みは処女膜が破れるから。」とは言い切れないのです。
また初セックス時の痛みが処女膜の損傷によるものであった場合も、その痛みはそれほど強いものではなく、すぐに痛みが消えてしまうのが一般的なのです。
初セックスで痛みを感じるのはなぜ?
初セックスで痛みを感じる最も一般的な理由は「あまり濡れていないから」なのです。初セックスへの不安や、妊娠への恐怖によりセックスに集中することができず、膣が乾いた状態になってしまうと、セックス時に痛みを感じてしまいます。
また、多くの場合男性も女性も初セックスは若い時期に経験します。
そのためパートナーにも自分自身にもセックスに対する十分な知識がなく、効果的な愛撫ができず潤滑が十分でないまま挿入してしまうことも多いのです。そのため初セックスで痛みを感じてしまうのです。
初セックスでの痛みを避けるために
初セックスで痛みを避けるためには、潤滑を十分にする必要があります。
そのためにはまずセックスへの恐怖や不安を取り除くことが大切なのです。
セックスパートナーが安全に心地よいセックスをすることができる相手かどうかをきちんと見極めましょう。
また、初セックスの際にあまりに不安が大きい時は、初セックスを踏みとどまる勇気を持つことを忘れないでください。
また、初セックスの時に潤滑ゼリーなどを用意することもおすすめです。
初セックス時にそのようなことをパートナーにお願いすることは恥ずかしく感じてしまうかもしれませんが、お互いが心地よく感じることができるセックスをすることはとても大切なことです。
不安を取り除いてリラックスすること、そして潤滑ゼリーを活用することで痛みを緩和することができるということを覚えておきましょう。
あまりにも痛みが気になるのであれば病院へ
今回は、セックス時の痛みの原因についてご紹介しました。自分の症状をきちんと振り返って、適切な対処法を取りましょう。
あまりにも痛みが気になる場合は、病気を抱えてしまっている可能性がありますので、できるだけ早く病院で相談してください。
痛みを取り除いて心地よいセックスをすることで、パートナーとの絆もより深まるはずです。我慢することなく、きちんと痛みの原因を解消してより良いセックスライフを楽しみましょう。